【50歳から始める読書感想文】荻原 浩)「逢魔が時に会いましょう」を読んで

50歳から始める読書感想文】荻原 浩)「逢魔が時に会いましょう」を読んで読書感想文

著者:荻原 浩
発行所:集英社文庫
発行日:2018年4月
ジャンル:小説

【逢魔が時に会いましょう~読書感想文】

まずこの小説のタイトル「逢魔(おうま)が時」の意味が分からなかった。
調べると「闇夜に差し掛かる夕暮れ時を表す」とあった。
逢魔が「魔物に出会う」
これで、内容がなんとなく分かってくる。
この作品は荻原さんの初期の短編小説2編。そして新たに1編の書き下ろし、計3編からなる短編小説。
内容は日本の妖怪にまつわる話。

  • 座敷わらし
  • 河童
  • 天狗

3つの伝説が語られている地域を舞台にストーリーが展開される。
主人公は2人。女子大生のマヤと准教授の布目。
この2人が各地をまわり、妖怪伝説の真実に迫る内容。
小説ジャンルとしては「雑学・教養・コメディ」が当てはまる。

昭和50年前後「摩訶不思議な世界」ブーム

僕と同年代であれば、、共感してもらえると思う。
小学生の頃、UFO・ユリゲラー・心霊現象・未確認生物(ネッシー、ツチノコ等)・ノストラダムス等々大ブームであった。矢追純一のUFO特集や川口浩の探検隊は大好きな番組。TVにかじりついて観ていた。
その翌日は
「見た~、昨日! スゲーよなぁ~」
「俺、UFO見たことあるぜぇ~」とか「幽霊っているんかなぁ」
友達とその話でいっぱいだった。

あの頃のTV番組、川口浩の探検隊は明らかにバラエティーであったけど、真面目に構成された番組だった記憶がある。
そんな子ども時代であったので、今でも「摩訶不思議な世界」に興味があり好きである。

【50歳から始める読書感想文】荻原 浩)「逢魔が時に会いましょう」を読んで

妖怪伝説と仮説

この小説では「どうして妖怪が生まれたのか」その地域の民俗風習をもとに物語が進んでいく。
僕は基本的には妖怪はこのように考えている。
妖怪も神様もその土地の風習から生み出され、時流によって形を変え作られていく。
それも人間の都合によって変えられる存在。
しかし「不思議ものが居てほしい」という気持ちはもちろんある。

水木しげるさんがこのようなこと言っていた。
「眼で見るものが、全てと考えてはいけない」

確かにその通りであるとも思う。

シンプルに考える。

この小説の面白さは、女子大生のマヤと学者の布目の考え方の違いになる。
学者の布目は理屈ぽっく、妖怪伝説の仮説をもっている。
かたや女子大生のマヤは、シンプルに妖怪を考える。
この2人のやり取りが面白い。
作者はおそらくシンプル派のように感じる。
この土地の風土・風習が“あぁだこうだ”はなく、その時の人間が『こんな妖魔いたら面白んじゃない、人を幸せにする妖怪!』
 
昔の人は科学が発達してない分、心の中のもの(空想)をいっぱい作り出したように思う。
心配・不安・恐れ・嬉しさ・幸せ感・・・・
それこそ、目に見えないものを形にしたように思う。
その話が伝言ゲームのように、膨らんで、膨らんで妖魔や神様を作り出したんじゃないかな。

こんなことを感じさせてくれる小説であった。
興味深く、楽しく読める一冊。

荻原 浩さんの小説

僕は荻原浩さんの大ファン。
多くの本を読んでいる。
ここ数年、小説から離れていたので読んでいなかったが、やはり荻原さんの本は面白い。
小説でも色んなジャンルを書いているが、コメディ調の小説が多いのでご本人は楽しい小説を得意としているのかもしれない。

ビジネス関係の本ばかりでなく、小説は雑学・教養としてためになるものもある。
久しぶりに荻原さんの小説を読んで良かった。

 

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のしろいくろー
この記事を書いた人

1965年東京都生まれ、現在東京都在住。
若い時の自分、今の自分では感じ方も変わっている。しかし、容姿は変わり、年を重ねている実感はあるが、人生への情熱はまだまだ衰えることはないと思っている。そんな自分へのこれからの人生の記録としてこのサイトを開設した。

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