著者:山中 恒氏
発行日:2007年5月
(旺文社小6時代1979~1980年連載)
発行所:株式会社KADOKAWA
読書期間:2020年8月27日~28日
【読書感想文】『おれがあいつであいつがおれで』
映画『転校生』の原作『おれがあいつであいつがおれで』を55歳にして初めて読んだ。この物語は大林宣彦監督・尾美としのりさん・小林聡美さん主演の映画『転校生』として強烈な印象が残っている。
映画『転校生』強烈な印象
原作では小学生が主人公であるが映画は中学生をモデルとしている。
何が強烈な印象なのか、、
これは僕と同世代の男であれば同じ気持ちになったに違いない。
小林聡美さんの下着姿や胸をさらけ出すシーン、そしてHな表現。「えっ!、、、同世代の女子の体はあんな感じなの?」クラスの女子の裸をラップさせてしまうシーンが多かった。その頃の純な男の恥ずかしさ、そして内に隠れた興奮を今でも覚えている。
純な少年いくろーの鮮烈記憶があり、今になって『おれがあいつであいつがおれで』を読んでみたいと思ったのだ。
小学6年向けの小説として掲載された作品
この小説は1979年~1980年に掲載された小学6年生向けになる。たくさんのHな表現も多く、小学6年生に向けに書かれたものであることにまず驚きであった。しかし主人公の男子(一夫)と女子(一美)は全くいやらしさがない。これが長く読み継がれている理由なのかもしれない。
(そう思うと、映画の小林聡美さんもいやらしさは全くなかった。いやらしいのは観ている僕だけだったのかもしれない)
性教育としての小説?
今、55歳でこの本を読んでみると、性教育の意味合いもあるのではないかと考える。男子と女子の体を入れ替え、それを滑稽に表現して男女の体の違いを学ぶ。特に6年くらいになると女の子の体は変化する。しかしバカ男子はそれに対して「ふざけた気持ち」で観ることが多い。それを一人の男子(一夫)が女子の体になることでいろいろ実感し、女子への優しさが芽生えるようになる。
男は女子への優しさを持つこと。
男子と女子の体が入れ替わるドタバタ劇の小説ではあるが「男は女子への優しさを持つべき」こんなことが言いたように思う。この気持ちによってお互いの信頼関係が芽生え上手くいくのかもしれない。
それでは大人の男女がベストパートナーになるためにはどうしたらいいのだろう? やはり男が女性に優しくあるべきなのは承知している。
課題は「どんな優しさをもった男なのか、、、」だ。
やたらと優しを売るような男ではダメだろう、日頃の行動からにじみ出るような優しさを感じれるような男がいいのかもしれない(行動からにじみ出るやさしさ、、自分で想像してみるがよくわかっていない)
この本の主人公の一夫はそのような感じもある。乱暴だけど思いやりがある。まさに僕の小学生の頃のモテるタイプ像だ。実際このような男子はいない。そして「こんな男子は嫌い」という一美であったが、一夫の行動から優しさを感じるようなる。
小学生向けの小説だけど大人が読んでも面白い。1979年当時、女性の将来への考えた方も今では面白く思う。
ー男と女関連図書ー
【50代おじちゃんの読書感想文】ベストパートナーになるために
余 談
この本の装丁画や挿絵は現代の絵になっているが、1979年当時の挿絵はどんな感じであったのだろう。下記の装丁画は旺文社発行と思われるのでこんな感じであったのかもしれない。


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